なぜ会社の単位で考えるのか
技術の投資は、会社のお金と人を何年も縛ります。決めるのは経営会議ですが、選択肢と数をそろえて出すのは、技術の責任者の仕事です。
資料の組み立て
決めてほしいこと・選択肢・費用と回収・外れたときの見込み・やめる条件の 5 つを、1 枚にそろえます。経営会議の 4 人は、それぞれ違う所を見ます。下の練習で、4 人の問いに答えられる 1 枚を組み立ててください。
練習: 経営会議に出す 1 枚を組み立てる 考え方のヒント
回収と NPV
時点の違うお金は、割引率で今の価値に直してから足します(正味現在価値・NPV)。あわせて、投資したお金を何か月で取り戻すか(回収の月数)も出します。みなと経費(作り物)の 2027〜2032 年度で、割引率と前提を動かし、判断が変わる所を見てください。
道具: NPV と回収の月数の計算機(みなと経費) 考え方のヒント
年度ごとの現金の出入り(万円)
割引率で NPV がどう変わるか(ほかの前提は上のまま)
前提(作り物)と、作るか買うかの道具とのつながり
外れたとき
前提は必ず外れます。どの前提が、どこまで外れたら判断が変わるかを、幅で示します。国の公共事業の評価の指針にある感度分析のやり方を、みなと経費に当てはめます。
図: どの前提が、判断をいちばん動かすか(要因別の感度) 考え方のヒント
決めてほしいことの書き方
経営会議で決まらない資料の多くは、決めてほしいことが書いていないか、決められない形で書いてあります。額・範囲・期日・次に決める日を、最初の 1 文に入れます。
練習: この 1 文で、経営会議は決められるか 考え方のヒント
決めたことを残す形
経営会議に出す 1 枚、前提の台帳、段階と見直しの表、事後評価の記録です。上の練習と計算機で選んだ内容が入ります。そのままコピーして、文書や表計算に貼って使えます。
経営会議に出す 1 枚(Markdown) 考え方のヒント
事後評価の記録(Markdown) 考え方のヒント
前提の台帳 考え方のヒント
確からしさが「低」の行は、外れ方の幅を広く取って感度を見ます(上の「外れたとき」の図)。持ち主が、見直す日に値を直します。
段階と見直しの表 考え方のヒント
落とし穴
投資の資料で、よくはまる所です。
AI 時代の投資の資料
「AI で開発が速くなる」は、投資の資料によく出る前提です。ただ、効果の数は条件しだいで逆を向きます。言い過ぎず、幅で入れて、測ってから直します。AI に資料を書かせるときは、数を自分で計算し直します。
チェックリスト
投資の資料を経営会議に出す前に、チェックを付けてください(この端末にだけ残ります)。考え方のヒント