なぜ会社の単位でチームの形を決めるのか
チームの分け方は、人事の話に見えて、設計の決定でもあります。どのチームとどのチームが話しやすいかが、どこでシステムが結び付き、どこに境界ができるかを決めるからです。
法則と逆の使い方
コンウェイの法則は、作る組織のやり取りの形が、システムの形に写るというものです。逆に、望むシステムの形に合わせてチームの形を先に変える「逆コンウェイ戦略」もあります。下の鏡の図で、チームの形を変えると、1 つの変更が何チームを通るかがどう変わるかを見てください。
道具: 鏡の図(1 つの変更が、何チームを通るか) 考え方のヒント
いまの形は、みなと勤怠の開発の 6 チーム(1 チーム 4 人ほど)と、岡田の SRE のチームです。画面・API・締めのように、層や作業でチームが分かれています(チームの名前・拠点・変更の例は作り物)。組み替えた形は、下の「チームの型」の見本です。
3 つの形を並べる(ます目を押すと、左に出ます)
チームの型
Team Topologies は、チームの型を 4 つ、やり取りの形を 3 つに絞ります。主役はストリームアラインドチームで、ほかの 3 つは主役の負荷を下げるためにあります。下の練習で、いまの 7 チームを、2027 年度の境界(共通の土台・勤怠・経費)と型に組み替えてください。
Team Topologies の本(2019 年。第 2 版は 2025 年)の本文は、ここでは確かめていません。言葉と考え方は、公式サイト・公式の GitHub の用語の訳・Fowler の記事・AWS の手引きで確かめた範囲で書いています。
練習: 7 つのチームを、境界と型に組み替える(2027 年 7 月の形) 考え方のヒント
2027 年 7 月から、みなと経費の最初の版を 2 チーム・8 人で作ります(投資の資料の練習)。共通の土台のログインとテナントは 6 月までに切り出し、課金は後から切り出します(ADR-0011)。チームごとに、組み替え先の持ち分と型を 1 つずつ選んでください。人はチームのまま動かし、混ぜ直しません。
認知の負荷
チームが一度に抱える、考えることの量(認知の負荷・認知負荷)には、扱える限りがあります。持ち分・道具・やり取りを足すたびに重くなります。下の道具で、チームの負荷を見積もり、どの型ややり取りで下げるかを考えてください。
道具: チームの認知の負荷を見積もる 考え方のヒント
持ち分(課題内在性)
6 つの経験(1 とても悪い〜5 とてもよい)
公式の GitHub から開く聞き取りの例と同じ 6 つ。チームで聞き、真ん中の値を入れます。
やり取り(課題外在性)
チームのやり取りの形
チームのやり取りは、コラボレーション・X-as-a-Service・ファシリテーションの 3 つだけに絞ります。どの形にも、期間と終わりの条件を付けます。下の練習で、2027〜2028 年のやり取りの形を選んでください。
練習: 2027〜2028 年のやり取りの形を選ぶ 考え方のヒント
決めたことを残す形
チームの API、境界とチームの台帳、やり取りの予定表、依存の台帳です。上の練習で選んだ内容が入ります。そのままコピーして、文書や表計算に貼って使えます。
チームの API(Markdown) 考え方のヒント
型の出典: Team Topologies「Team API template」(CC BY-SA 4.0)。項目を日本語にし、みなと開発の値を入れた。依存・認知の負荷・見直す合図の節は、このタブで足した。
境界とチームの台帳 考え方のヒント
「チームの型」の練習で置いた持ち分と型が入ります。見直す合図は作り物です。
やり取りの予定表 考え方のヒント
「やり取りの形」の練習で選んだ形が入ります。チームの呼び方は、2027 年 7 月の形(見本)です。
依存の台帳(いまの形) 考え方のヒント
列は公式の GitHub の依存の台帳(Team Dependencies Tracking)にそろえました。行は作り物です。
落とし穴
チームの形を決めるときに、よくはまる所です。
AI 時代のチームの形(エージェントが加わるとき)
AI のエージェントがチームの一員のように働くと、書く量は増えますが、確かめと責任は人のチームに残ります。エージェントに渡す文脈と権限を、チームの持ち分にそろえ、だれが持ち主かを決めます。
チェックリスト
自分の会社のチームの形を見直したら、チェックを付けてください(この端末にだけ残ります)。考え方のヒント