なぜ商流を見るのか
IT の仕事は、エンドの会社から元請、二次、三次と、何社もの間を通って人に届くことがあります(多重下請け)。段が増えるほど、だれが指示しているのか、だれが守られるのか、お金がどこで引かれるのかが見えにくくなります。営業は自社の位置を、発注する側はその先を知っておく必要があります。
商流の形(エンド・元請・二次…)
商流の段の呼び方と、お金・指示・支払いの流れ方です。下の道具で、例の商流を選び、契約の形や指示を出す人を変えて、どこに印が付くかを見てください。会社を足したり、いちばん下を個人事業主にしたりもできます。
道具: 商流の図を組み、問題になりうる所に印を付ける(会社の資本金・人数は作り物) 考え方のヒント
印は、法令や指針の本文から引いた「問題になりうる・確かめる」目安です。当たるかどうかは、実態と契約の中身で決まります。実際の判断は専門家や公式の情報で確かめてください。取適法は、プログラムの作成や情報処理を頼む取引として見た基準(3 億円・1,000 万円・300 人)で計算しています。
法令(取適法・フリーランス法・労働者供給)
商流の段ごとの取引には、取適法(2026 年 1 月に下請法から改まった法律)やフリーランス法が当たることがあります。人の働かせ方では、職業安定法の労働者供給の禁止と、派遣法の決まりが関わります。当たるかどうかは、頼む中身・資本金・従業員の数・実態で決まるので、確かめた範囲の本文を示します。実際の判断は、専門家や公式の情報で確かめてください。
商流の制限
受けた仕事をさらにほかの会社に出すときは、契約と民法の決まりで承諾が要ることがあります。案件の条件には「貴社まで」などの商流の制限が付くこともあります。業界団体も、合理的な理由のない多重の取引を控えるよう求めています。
決めたことを残す形
案件ごとの商流の台帳と、再委託の承諾をお願いするときの文例です。台帳には、上の道具のいまの商流と印が入ります。コピーして、表計算や文書に貼って使えます。値は作り物です。
再委託の承諾のお願い(Markdown) 考え方のヒント
IPA のモデル契約 第 7 条の項目(再委託先の名称と住所・開始の時期・同じ義務を負わせること)に合わせました。
落とし穴
商流と多重下請けで、よくはまる所です。
AI 時代の商流(案件の情報・自動の転送・AI に聞かない判断)
案件のメールの整理や、商流の図の下書きは AI で速くなりました。けれど案件の情報は取引先の秘密で、人の経歴は個人情報です。AI で外へ流さない線と、AI に任せない判断を決めておきます。
チェックリスト
自分の会社の案件の商流を見直したら、チェックを付けてください(この端末にだけ残ります)。考え方のヒント